昨日大学院講義からの帰途、黒目川沿いにて。
ミンミン蝉なのか、それともクマ蝉か……、さて?
2011年の初夏、東京慈恵医科大学附属病院に入院中の父(故人)を見舞った際の一葉。
こうして俯瞰すると、増上寺大殿は錣(しころ)葺き(注)である事がよく分かります。
(注)「錣葺き(しころぶき)」とは、古い屋根形状の一種。
寄棟屋根の上に切妻屋根を載せた形式で、両者が一体化していないのが特徴(一体となったものが入母屋屋根)。
実例としては法隆寺の玉虫厨子がある。
ちなみに錣(しころ)とは、兜や頭巾の下に垂らされた布等の覆いの事。
設計者の大岡實(1900〜1987)の言を同氏HP当該箇所から以下に抜粋します。
入母屋自体の形についても、私は玉虫厨子に見るような、いわゆる錣葺の屋根が意匠的に非常に優れていると考えている。
錣葺の場合、上方の部分は矩勾配(45°)に近く、下方の部分は四寸~五寸の緩い勾配で、その結果は、上方の屋根は屹立性が強く、鋭い感じを持っているが、周囲の勾配の緩い屋根が、これを受けて、安定感を与えるのに役立っているのであって、極めて巧みな意匠であり、今回も錣葺を採用した(「建築東京」より)
JR信濃町駅の燕、巣立ったようです。
都内某所にて、どこにでもあるような古い民家。
所々錆びたトタンに覆われた様子に、何故か惹かれてしまう私です。
石でもタイルでも、綺麗に加工するには寸法上の限界があります。
それを考慮せず図面上で機械的に割付をすると、こうなるという一例。
学生へは、なかなか此処までは伝えられませんが。
熱中症に気を付けろよ~
現在、フル稼働中
夏、千葉は内浦湾にて
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