倉敷建築旅行その6(「MTT社屋」 設計:神家昭雄)

11月12日、倉敷旅行2日目です。

まずは神家昭雄さん設計の「MTT社屋」へ。水路のほとりに建つ美しい社屋です。
この建物も、古民家を再生したものです。

石とクローバーによるアプローチが素敵です。

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水路のすぐ脇にテラスが設えられています。

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構造補強としては、既存外周壁の内側に新しい柱列と桁を建て梁間方向の構造壁を増やし、2階床を受ける梁を増設する方法が採用されています。
よく見ると、新規の梁は既存壁と縁が切れています。

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このように構造補強を意匠的にも明快に表現しているところが、なんとも心憎いですね。

内部空間といい外構といい、古民家再生という枠組を超越した実に素晴らしい建築でした。

倉敷建築旅行その5(楢村徹設計室「創想舎」 設計:楢村徹)

夕方になり、総勢14名で楢村さんの事務所「創想舎」へお邪魔して、色々とお話をうかがいました。

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ここは、江戸期の藍染めの作業納屋を再生したものだそうです。
製図室とは別に十分な広さの打合せ室や事務室が完備しています。
その広さといい、美しい設えといい、楢村さんの優雅な設計活動が想像されて、家づくりの会メンバー全員が羨望の面持ちでした。

倉敷建築工房 楢村徹設計室のHPには、氏が倉敷で手がけられた仕事の地図が掲載されています。
個々の作品は勿論のこと、ひとつの地域でこれだけの数の良質な建築を造っておられることに、とても感銘を受けました。

倉敷建築旅行その4(さらに街を散策)

小高い丘から倉敷の街を見下ろしました。

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このような瓦屋根が連続する風景を見ると、よそ者の私でも懐かしく感じます。
何故でしょう?

ある商家の中庭にあった樹齢ウン百年というツツジです。

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庭いっぱい枝を広げています。凄いですね。

その商家とお隣りとの間には細長い路地がありました。

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素材の選択も道の幅も適切で、実に趣きがあります。

ノロウィルスかな?

12月11日(月)は家づくりの会の忘年会でした。
一次会の後、千駄ヶ谷で二次会、三次会へと繰り出します。
最初は40人くらいだったメンバーも、少しずつ減っていき、三次会に残ったのはわずか6名。
入って間もなく閉店時間になってしまい、私を含む残った数名はタクシーで中野のバーへ移動(四次会!)し3:00過ぎまで……。

翌朝は当然起き上がれません。
昼近くになって、便所へ行きたくなり目を覚ましました。
詳述は避けますが、お腹を酷く壊してしまい……。
夜になっても全く治らず、さらに熱まで。食欲も無く、この日は絶食。
たぶん軽い風邪で明日には治るだろう、とタカをくくっていたのですが、翌日になっても腹具合はおさまらず、便所と布団とを頻繁に往復……。
これは意外に体力を消耗します。微熱もありフラフラです。この日も何も食べられず……。

こんな調子だったので、先週は完全に仕事をお休みしてしまいました。
土曜にようやくお粥を一膳食べられるくらいに回復、月曜から晴れて会社へ行くことが出来ました。

今回の一件、感染源はどうやら母のようです。
本人は頑としてその事実を認めませんが(笑)、間違いなく同じ症状です。

あぁ、こんなにツライ思いをしたのは何年ぶりでしょう!
皆様におかれましても、季節柄くれぐれもご自愛ください。

倉敷建築旅行その3(散策中に気になったモノ)

倉敷の街を歩きながら私が気になったモノです。

道路に面する空調室外機を隠す工夫。

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確かに剥き出しでは街並みと調和しませんよね。

大原美術館の向かい側に建つ大原孫三郎(事業家)の迎賓館の塀です。

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一見何の変哲も無い塀に見えますが、この下見板はなんとチークだとか!
昭和初期のものらしいですが、今でも十分健在です。

歩きながら見つけた下見板に見せかけた可愛らしいポストです。

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蓋を開けると呼び鈴も現れます。
さりげない工夫が実に愛らしいですね。

倉敷建築旅行その2(倉敷のモダニズム建築)

倉敷の街の魅力は、その基本に江戸時代の風情を残しながらも、古今東西様々な要素がモザイク状に程よく散りばめられているところかもしれません。

下は浦辺鎮太郎設計の国際ホテル。

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下2葉は丹下健三設計の旧市庁舎(今は市美術館)。

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いずれも外壁に吹付け材が塗布され、いささか悲しいものがありますが、そのデザインは今でも新鮮です。
国際ホテルの、モダンデザインに日本の屋根のイメージ(?)を盛り込もうとする試みは、十分成功していると思います。
旧市庁舎の方は、コンクリート壁に設けられた目地のデザイン、彫塑的な階段などが実に素晴らしいです。
こちらも日本的モチーフがさりげなく取り入れられています。

倉敷建築旅行その1(倉敷の街を散策)

11月11日から、家づくりの会有志による倉敷建築旅行に参加しました。
お昼近くに倉敷に到着、昼食はレストラン「蔵ぷーら」へ。
このレストランは建築家・楢村徹さんの作品で、古民家を再生活用した建築です。

この日は楢村さん直々のご案内で倉敷の街を散策しました。願ってもないことです。
下写真の右手建物が蔵ぷーら。

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下は大橋家(国重要文化財)の土間部分。

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その後、美観地区を歩きました。
下は大原美術館そばのナマコ壁。

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これぞ倉敷、という感じですね。

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目黒川の紅葉

日曜日の目黒川沿いの様子です。

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川沿いは桜並木になっています。

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盛りを2~3日過ぎた感じでしたが、ささやかな紅葉狩りを楽しみました。

私の設計手法「スケッチと模型で考える」

現在私は40歳ですが、私くらいまでが手書きの図面を叩き込まれた最後の世代ではないでしょうか?
修行時代には、描線の太さや濃さ、果ては紙の種類や鉛筆の尖らせ方まで師匠からやかましく言われたものです。
近年、さすがに世間の動向とは無縁であり得ず、コンピューター画面上での製図、いわゆるCADに転換しましたが、
頭では理解出来ても、身体の方がなかなか順応出来ません。手書きを長く続けた結果、手を動かさないと頭が働かないようになってしまったのですね。
そこで、製図板こそ使いませんが、スケッチを沢山描いてイメージを追い求め、ある程度構想が固まってからCADで図面を引くようにしています。
その時スケッチを描く紙には、コピーをして不要になった紙の裏面などを使います。これが溜まれば溜まるほど、設計の密度が上がっていきます。
さて、ある程度図面で形が決まってくると、模型を作成します。
模型は必ず2種類作ります。
ひとつは建主へのプレゼンテーション用の完成予想模型、もうひとつは構造チェック用の骨組模型です。
構造チェック用の模型にはスチレンボードという素材を使い、架構はなるべく一体には切り出さず、あえて細かい部材に切り分けて接着剤で組み合わせていきます。
模型は50分の1から30分の1程度の縮尺で作ります。したがって材料の強度もそれに応じて低減させた方が理にかなっているわけです。

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このように作ると、計画している架構が剛強であるか脆弱であるか、とても良く分かります。手で押したり揺らしたりすれば一目瞭然です。
保存する上では木(割り箸のように細い角材)で作る模型が最適なのですが、木の模型はいささか丈夫過ぎて分かりにくいのです。
もちろん木で作る場合もあります。

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木で作る模型では、構造的な検討と併せて曲線部分(軒反りや屋根反りなど)の作りやすさを検証します。微妙な曲線を検討するにはスチレンボードだと柔らか過ぎるのです。
特殊な建物では、木材の仕口・継手を検討する為に、スタイロフォームを削り出して10分の1程度の模型を作ることもあります。

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このような模型を構造設計者との打合せに持ち込み、適切な構造壁の配置、部材断面の増減などを打合せします。
さらに構造模型は、大工をはじめとする職人達との工事打合せでも活用されます。
このような私の設計手法は非常に手間がかかりますが、ここまでして初めて安全且つ美しい建築が出来るのだと信じて、日々仕事をしています。

(下写真:小野吉彦 2006年11月1日 家づくりの会「家づくりニュース」06年11月号より転載 一部修正)

忘年会シーズン到来

先日までしばらく風邪をひいて寝込んでしまいました……。
ブログもしばらく滞っておりました。この場を借りてお詫び申し上げます。

さて、病み上がりにもかかわらず、忘年会シーズンが到来。

12月1日は家づくりの会のお仲間、建築家の小林英治さん、倉島和弥さんご夫妻とミニ忘年会でした。
中井のお寿司屋で食事をした後、巣鴨のカラオケスナックへ。
風邪の為しばらく控えていた酒と煙草を堪能し、カラオケも少々♪

続く2日(土)はYahooブログのオフ会です。
この日も小林さんとご一緒して迷亭茶々さんのお宅へお邪魔しました。

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なぜ茶々さんのお宅へお邪魔したか? その理由はこちらから始まる一連の記事をご覧ください。
夕方から深夜まで、奥様の美味しい手料理とお酒をたっぷりとご馳走になってしまいました。
茶々さん、奥様、どうもありがとうございました。

おかげさまですっかり元気になりましたが、長く休んだ分、仕事を頑張らねば!