飛騨高山旅行その1(オークヴィレッジ)

7月7日から2日間、京都鴨川建築塾の飛騨高山旅行に飛び入りで参加させていただきました。
東海道新幹線で名古屋へ出て、特急ひだ3号に乗り換え高山へ。
電車はずっと川沿いを走ります。窓外の景色が美しく、見ていて飽きることがありません。
ちょうどお昼時に高山に到着、駅前で飛騨ラーメンなるものを食べました。あっさりした醤油味でなかなか美味。

そして今日の見学先、オークヴィレッジへ。

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オークヴィレッジは家具で非常に有名ですが、数々の美しい建築も作っています。
チーフアーキテクトである上野英二さんに各施設を案内、説明していただきました。
原材料である材木の確保・乾燥等から設計・施工までを一環して自社で行うというのは容易なことではありません。
大変なご苦労がおありと想像します。
そのようなきちんとしたプロセスを経て常に美しい建築・家具を作り出している姿勢には脱帽です。
塾生の皆さんが驚いたのは家具工場の清潔さです。まさにチリひとつない状態。

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加工で発生した木くずは袋詰めにして、近所の家畜の寝床に敷くそうです。つまり一切焼却処理はしないとのこと。

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様々な樹種の材木が天日乾しされています。

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木材の乾燥窯です。

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写真はありませんが、漆工房もありました。
その後、設計室へお邪魔し実施設計図面や模型などを拝見。細部まで書き込まれた高密度且つ分厚い図面の数々に、これまた脱帽。
設計室の下階が建築の加工場になっており、大工さんが作業をしていました。
図面で分からないことがあると、階段を昇って設計者に聞きに行けるので大変便利だそうです。勿論その逆も然り。

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最後にショールームと森の博物館を見学しました。
面戸板(注)にガラスを用いてあり、それが実に効果的です。

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ザックリとした外壁も魅力的です。

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下は上野さんと棟梁による原寸模型の組み立て実演。

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その後、上野さんが
「オークヴィレッジとしては飛騨高山で育まれてきた木材と技術(伝統木造構法)にこだわった家作りをしていきたい。
しかし我々のような絶滅危惧種にすら国は法律による圧力をかけてくる。
法規制は理解できないわけではないが、すべて一律に規制するのは如何なものか。伝統構法という選択枝があってもよいではないか」
という主旨のお話をしてくださいました。
日頃私が思っていることと全く同じお考えだったので、とても感激しました。
(つづく)

(注)面戸板とは、垂木と垂木との間に出来る隙間をふさぐ板。通常は木材を用いる。