素材を考える・木―3「削る」

伝統的な日本建築は軒線の美しさが命、といわれます。
屋根が端部に向かって反り上がっている様子は実に美しいですね。
こうした曲線は、軒先の部材を削り出して作ります。
容易に削ることのできる木材の特性を巧みに利用しているのです。

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写真は拙作「鞠智城長者山展望広場休憩所」の工事風景です。
地垂木(じだるき)の上に木負(きおい)という部材を取り付けたところ、この上に飛檐垂木(ひえんだるき)がのります。
木負が隅に向かって緩やかな曲線を描きながら反り上がっているのが分かります。

(2006年10月11日 家づくりの会HP「建築家と話そう」より転載 一部加筆修正)