素材を考える・木―1「積む」

今回は家づくりに馴染みのある木材についてお話します。
木は、柔らかく加工しやすい上に強度もある、実に優れた素材です。使い方さえ誤らなければ、耐久面ではコンクリートや鉄にも優ります。
実際にはどのような用い方ができるでしょうか?

ログハウスのように丸太をそのまま積み重ねる方法があります。
これは最も単純で簡単ですから、人類が木材を建築に利用する際、最初に思い付いた方法かもしれませんね。
木材は繊維に対して横からかかる力には弱く、またこの方向が一番乾燥収縮するので、積んだ場合は必ず沈下します。
そのことさえ踏まえておけば、様々な応用が出来るでしょう(博物館等の収蔵庫にはこの方法がよく用いられています)。

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写真は拙作「肆木の家2」(福島県・広瀬鎌二と協働)の浴室壁にサワラの角材を積んで用いたものです。

(2006年10月10日 家づくりの会HP「建築家と話そう」より転載 一部加筆修正)