自由行動の後は、再び皆で木村産業研究所(1932年)へ。
前川國男(1905~1986)のデビュー作です。
見上げながらフランス国旗を思い浮かべたのは私だけでしょうか?
弘前市斎場(1983年)、前川の遺作。
その静謐で厳かな空間に佇み、深い感動を覚えつつ
「亡き父もこんな斎場で送ってやりたかったな」と考えていました。
上写真は、同斎場で遠藤知絵さんが撮影してくれたもの。
左から後藤孝さん、ワタクシ、石黒隆康さん。
「強制収容所に入れられた三人の政治犯ではないか?」との説が一部で流れています(笑)
ご一緒した若い方々から見ると、今回見学した前川作品はいずれも派手さは無く、建物によっては鈍重な印象すら受けた事でしょう。
しかし私は思うのです。
パイオニアは極めて発明的ではあるが、決して最初から洗練された造形を生み出す事は出来ない。
それを後から模倣する者達がより上手に美しく見えるものを作るのだ、と。
我が国の戦後建築界のリーダーとして常に先頭を走らざるを得なかった前川國男という建築家は、そのような意味で評価されるべきではないでしょうか。
そして、そんな巨匠・前川ですら、ひとつの手法に安住することなく常に挑戦的試みを続けていたという事実に、私はあらためて尊敬の念を抱いた次第です。
(つづく)
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