人の縁について思うこと

土蔵のある家」で、不思議な因縁を感じることがありました。

この仕事は福島の先輩Mさんから紹介された仕事で、建主とはそれ以前にお会いしたことはありませんでした。
ところが、建主のお兄様が偶然にも私の父と知り合いでした。
また、建主が通う小唄教室のお仲間が、姉の友人のお母様でした。
さらに、建主が檀家を勤めるお寺に、特攻隊で戦死した私の伯父と祖母(故人)の手紙が残されていたのです。
福島県の太平洋側に原町(ハラノマチ)というところがありますが、特攻隊はここから出発したそうで、そのため遺族会がしばしば現在の
自衛隊基地を訪れたそうな。祖母の手紙というのはおそらくその関係でしょう。

10年ほど前、師・広瀬鎌二の下で最初に担当した仕事は、宮崎県にある「西都原古代生活体験館」でした。
伯父は西都原(サイトバル)古墳群のすぐ向かいにある新田原(ニュウタバル)基地で最後の補給をした後、フィリピンで戦死したということで、
工事期間中に両親が西都を訪れ、現在の自衛隊基地で献花をさせていただいたこともあります。

「西都原古代生活体験館」といい「土蔵のある家」といい、会ったことの無い伯父が、そっと私を護ってくれているような気がしています。