雨の水曜日、「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」展を再訪しました。
広瀬アーカイブスの寺内朋子さんから聞いたSH-1(設計は我が師・広瀬鎌二)に関する記述の誤りについて確認するのが主な目的です。
寺内さんからの御指摘と私が気付いた点とを合わせ、以下に記します。
・「SH」を「スチールハウス」と記している。おそらくそうなのだろうが、生前広瀬はその事を明言してはいない。
・SHシリーズが72棟全て完成したように書かれているが、欠番もかなりある。
・展示パネルに、木造建築より安価な云々、の記述があるが、必ずしも木造より安価では無い。
・初心者向け無料パンフレットにSH-1がセルフビルドのように書かれている。
重箱の隅をつつくようですが、建築関連の書籍や展示には人間が行うものである以上間違いもあり得るのだ、という事実を申し上げておきたく存じます。
それはさておき、前回は学生達への説明に追われ読む事が出来なかった各作品の展示パネルを、この日は時間を掛けて熟読。
3時間ほど滞在しましたが、それでも全てを読み切れず……。
結果、個人的には、現代住宅は100年前に既に完成しており其の後は大して進化していないと改めて思い知らされた事、そんななか藤井厚二の「聴竹居」が私達日本人の目指すべき地平を依然として示唆しているように思える事、の2点が深く印象に残った次第です。