7月27日、大学院で担当している建築設計特別演習の講評会が深川東京モダン館をお借りして行われました。
与えられた課題内容が、この建物の保存活用を含むものだったからです。
先述の大学2年生の授業と同様、こちらも短期間で高密度の設計が要求されます。
エスキースチェックの段階では先行きが危ぶまれた学生も、成果品はそれなりに仕上げ提出してきて一安心。
私が少し気になったのは、3Dによる表現に固執するあまり肝心の建築物が立体として成立しているかどうかの検討がややおざなりに感じられた作品が数点あったこと。
とは言え、彼等はよく頑張ったと思います。
先約があった為打ち上げの宴にお付き合い出来ず、残念でした。
(注)以下、深川東京モダン館のHPから抜粋。
東京市深川食堂–深川東京モダン館の歴史
深川東京モダン館は、昭和7年(1932)に建築された東京市深川食堂を改修したものです。
このような公営食堂の建設は、大正時代に諸物価が高騰したことで人々の暮らしが苦しくなったことで計画されました。具体的には、大正7年(1918)に起きた米騒動をきっかけとして、2年後の大正9年に神楽坂と上野に市営食堂が開業します。深川区には、関東大震災後の大正13年に黒江町49・50番地に仮設の深川公衆食堂が設置されます。この食堂は、大正15年に廃止となりますが、昭和3年(1928)に常設の食堂建設が計画され、昭和7年4月、東京市深川食堂として営業を開始します。
この公営食堂は、昭和12年(1937)に廃止となりますが、その後も深川栄養食配給所などと名称を変え、安く食事を提供する場として存続しました。第二次大戦後は、東京都立内職補導所、江東区の福祉作業所などに活用されてきました。平成20年(2008)、震災復興建築物として希少である点などから国登録有形文化財建造物に登録され、翌21年10月10日に深川東京モダン館として開業しました。