午前中にキマドの工場見学を終え、昼過ぎに富山駅で解散。
せっかく富山まで来たのにこのまま帰るのは惜しいと思い、お仲間数人と高岡の瑞龍寺へご一緒しました。
瑞龍寺は、前田利長公の菩提を弔うため三代藩主利常公によって建立されました。
典型的な曹洞宗の伽藍配置を残す貴重な遺構です(ご一緒した建築家・古川泰司さんによる大変興味深いブログ記事がありますのでご参照ください)。
仏殿、法堂、山門が国宝に、総門、禅堂、高廊下、回廊、大茶堂が重要文化財に指定されています。
私は今回初めて訪れました。
詳細な解説は瑞龍寺のHPをご参照ください。
私の印象では、鎌倉時代建立の禅宗建築、国宝・円覚寺舎利殿(神奈川県鎌倉市)や同じく国宝・正福寺地蔵堂(東京都東村山市)などと比べると、各部材がいささか野太い感じを受けました。
時代が大分下っていること(瑞龍寺は江戸初期建立)と雪の多い土地柄ゆえでしょうか?
大茶堂の天井は緩やかな円弧を描き、土塗りに漆喰で仕上げられています。
建物を防火構造とするための工夫なのだとか。大変珍しい事例です。
軒裏にも漆喰が塗られています。
伽藍の北西端には、美しい石廟が立ち並んでいました。
わずかに緑色がかったこの石は、越前笏谷石(シャクタニイシ)と呼ばれる凝灰岩。
とても綺麗な石で、機会があれば使ってみたいものです。
季節は晩秋、まだわずかに残る紅葉が伽藍を美しく彩っていました。
(つづく)